HISTORY 船場ビルディングの歴史

船場ビルディング

大正モダンの時代、船場ビルディングが生まれる

船場ビルディングは三休橋筋拡張を機に大正14年(1925年)10月に竣工致しました。
当時、「大大阪」と呼ばれる経済的繁栄と都市計画進行を背景に、オフィスと住居をあわせもつ大阪初の大変ユニークで革新的なビルとして注目を集めました。外観は比較的簡素ですが、中に足を踏み入れると機能性、構造性、装飾性に富んだ建物となっており、特に玄関ホールはスロープ状で、建築当時トラックや荷馬車を引き込むのに大変便利な設計となっており、床一面に敷き詰められた木レンガは消音効果も兼ねていました。
緑溢れる開放的なパティオの様な中庭は中世ヨーロッパの面影を彷彿とさせます。これは既に今日でいうところの住環境を整え美化するという考えに至っていた欧米の手法をいち早く取り入れた桃谷政次郎翁をはじめとする経営首脳の先見性に依るもので、更に船場という土地柄を考慮に入れ、船場ビルディング独自のスタイルをつくりあげたのです。
以来、船場ビルディングはその頑丈なつくり故、数々の自然災害や戦争をくぐり抜け、大正時代の雰囲気を漂わせながら、ほぼ竣工当時の姿のまま今日に至っております。

今後も更に大阪文化の象徴ともいえる船場ビルディングを後世に残していきたいと思っております。

環境にやさしく古くて新しいビル

船場ビルディングは環境にやさしく、文化遺産としての価値を高めるようレトロな雰囲気をこわすことなく、1925年から現在まで変わることのない大正時代のスタイルを守り続けております。大阪・船場の近代建築の歴史という視点から、今後もオフィスビルとして活用しながらこの歴史的建造物の維持・保全をすることが重要であると考えております。 そのための努力を惜しまず、環境を整え、より快適で安心な癒しの空間つくりを目指しております。

常に地域文化と大阪文化のために

船場ビルディングは大阪・船場の淡路町という地域の環境を形成するひとつの要素です。このため、地域文化と、さらには大阪の環境文化のより良き発展の一助となるように船場ビルディングを運営していきたいと考えております。